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差し歯が痛むことの原因
治療で差し歯を装着している歯が痛む場合、その部分で何らかの異常が起こっている可能性が高いです。
歯科治療においては「一度治療を行った部分だから大丈夫」ということはありません。
痛みが出た場合には、その原因に合わせて再度治療を行う必要があります。
1.噛み合わせの変化
噛み合わせは、日々少しずつ変化しています。
噛み合わせが乱れると歯に負担がかかり、痛みが出ることがあります。
差し歯であってもそのリスクは変わりません。
差し歯の部分はもちろんですが、差し歯を支えている歯茎にも負担がかかり、痛みを引き起こしてしまう可能性があります。
噛み合わせが原因の場合の治療法
噛み合わせがズレたことで差し歯に痛みが出ている場合、噛み合わせを改善する治療や差し歯の高さを調整する処置が必要です。
差し歯を削ったり、必要に応じて矯正治療を行ったりすることで、お口全体のバランスを改善して痛みの解消を目指していきましょう。
2.虫歯の再発
差し歯部分に歯石や歯垢が蓄積しているなどケアが不十分になっていると、虫歯の再発リスクが高まります。
一度虫歯治療を行った箇所で再び虫歯が発生することを「二次う蝕」と言い、歯科医院において二次う蝕を起こさない治療は、目指すべき姿の一つとも言えます。
特に、一度目の虫歯治療で神経の処置を行っていない場合に二次う蝕が発生してしまうと、差し歯に痛みを感じることがあります。
虫歯が原因の場合の治療法
虫歯によって差し歯が痛くなっている場合には、再度、虫歯治療を行う必要があります。
一度差し歯を取り外して虫歯の箇所を削り、必要に応じて神経の除去も行います。
その後、現在の噛み合わせに合わせて差し歯を装着することで、痛みの軽減と虫歯の治療が完了します。
3.歯周病が進行している
差し歯付近で歯周病が進行すると、歯茎が腫れたり痛みを感じたりすることがあります。
歯周病は、初期の段階では痛みを感じることがほとんどないため、痛みがある時点で、ある程度進行してしまっていると考えられます。
歯周病が進行すると、最終的には歯が抜けてしまうなど取り返しのつかない状況にもなりかねません。
差し歯であっても、支えとなる歯茎が下がって抜け落ちてしまうことがあります。
歯周病が原因の場合の治療法
歯周病が原因の場合は、とにかく歯科医院で歯石除去などの歯周病治療を行うことが先決です。
お口の環境を良好に保つことで歯茎の炎症が治まると、差し歯の痛みも改善される可能性があります。
一方で、重度の歯周病はクリーニングだけでは改善が難しいため、歯周外科治療を用いて専門的な処置を行う必要があります。
4.歯根の先でトラブルが起こっている
差し歯を装着している歯は、神経を取っていたり金属の土台を入れていたりすることで、天然の歯に比べて歯の根っこが非常に脆くなっています。
そのため、強く噛んだことや外部からの衝撃などによって、歯根破折が起こりやすいというリスクがあります。
また、何らかの原因によって歯の根っこが細菌感染を起こすことで、先端に膿が溜まって痛みを引き起こすこともあります。
歯根のトラブルが原因の場合の治療法
歯の根っこが折れて痛みが出ているケースでは、その折れ方によって治療方法が異なります。
固定することで改善できる場合には、外科処置によって歯の根っこの亀裂を固定する治療を行います。
一方、亀裂が大きく固定が難しい場合には、根っこの抜歯を行い、ブリッジやインプラントといった義歯の治療を行う必要があります。
差し歯が痛いときの応急処置と注意点
自宅でできる応急処置
差し歯の痛みは、セルフケアで一時的に軽減することができます。
あくまでも一時的なものなので、痛みが治まったタイミングで治療に通うようにしましょう。
差し歯の部分を冷やす
差し歯付近が腫れて痛い場合は、患部を冷やすと痛みが和らぎます。
濡らしたタオルや保冷剤でゆっくりと患部の温度を下げることがポイントです。
差し歯の部分を使わないようにする
意識的に差し歯で噛まないようにするだけでも、ある程度の痛みを軽減できます。
ただし、片噛みは噛み合わせを悪化させてしまうリスクがあるため、あくまでも一時的に行うことが重要です。
差し歯の痛みを悪化させないために
前提として、差し歯が痛い場合には、早めに歯科医院を受診することが重要です。
なお、以下のような行為は、症状を悪化させてしまうので注意しましょう。
血行を促進させる行為を控える
入浴や飲酒、運動など、血行がよくなる行為は痛みを増長させてしまうリスクがあります。
お風呂では湯船に浸からずシャワーにする、体を過度に動かしすぎない、治療を行うまでお酒は控えるなどの工夫をしましょう。
歯ぎしりや食いしばりに注意する
歯ぎしりや食いしばりがあると、差し歯の付近に負担をかけてしまいます。
こうした口腔習癖は差し歯に限らずお口全体に悪影響を及ぼすため、改善に取り組むことが大切です。
患部に刺激を与えないようにする
差し歯の部分が気になって舌で押したり、指で触ったりすると、その刺激で痛みが強くなってしまう可能性があります。
なるべく患部には触れず、治療まで安静に維持することが大切です。